権利は平等ならば

2017/01/15

年老いた親の面倒を長男が見るのが当然だという時代はとうの昔に終わっていると言われながらも、世間一般には長男である私と妻が親の面倒を見るのが当たり前という感覚が根強く残っているのを感じていました。両親がだんだんと体力が落ちて介護が必要になったとき、私と妻は仕事も子育ても家業もこなさねばならず、それこそ目の回るような毎日を過ごしてきました。弟と妹はそれぞれに家から出て家庭を持っており、ごくたまに家に帰ってきて両親の世話を短時間するも、妻はむしろ彼らの世話のほうが骨が折れるとさえ言っていました。

そんな両親が短期間のうちに二人続けて亡くなり、いざ遺産相続の手続に進もうとすると、父の残した小さな工場と少しばかりの預貯金、そして古い実家の建物だけが残ったのですが、弟も妹もそれらを3人で平等に分けるべきだと主張してきたのです。私は妻に対して余りにも申し訳なく、弟と妹の身勝手な言い分がどうしても許せませんでした。たしかに兄妹は遺産相続の権利は平等にあるのかもしれません。でも、果たすべき義務を平等に果たしてこそ言えることだと思います。

何かにつけ実家に里帰りして甘え放題だった妹家族、たまに顔を出しても別に介護の手伝いをするでもない弟、両親の介護だけでなくそんな彼らの世話まで忙しい生活の中でこなしてきた妻に対しても感謝の言葉さえない彼らがどうしても許せません。まして必死で守ってきた家業まで揺るがしかねない彼らの言い分に毅然と立ち向かうためにも、きちんと弁護士に相談する覚悟で居ます。